Laser News


 ●「JISレーザ製品の安全基準によるクラス分け」  2005/04/14

   「JISレーザ製品の安全基準」(JIS C 6802:2005)が改正されたことに伴い、レーザの安全クラス分けも変更になりました。
   安全管理方法等については、「JISレーザ製品の安全基準による危険管理」のページをご参照下さい。

 ●クラス分けと被ばく放出限界(AEL: Accessible Emission Limit)

   JISの安全基準ではレーザ装置の危険性に応じたクラス分けを用いています。従来安全な方からクラス1、2、3A、3B、4の
   5分類が採用され、それぞれパワー(エネルギー)で規定されたAELと称する被ばく放出限界値を定めていました。
   今回レーザのビーム広がり角やビーム径に依存した低クラスの分類が追加され、クラス1、1M、2、2M、3R、3B、4の7種類に
   細分化されました。新たなクラス1M、2Mは、双眼鏡またはルーペ等のレンズ系を使用しないかぎり安全なクラスで、
   特定の測定系を用いて放射レベルを評価しますが、用いるAEL表は元のクラス1、2と共通です。
   また、従来のクラス3Aはパワー(エネルギー)とパワー(エネルギー)密度の二重規定であったものが、今回パワー密度の
   制限が外され、クラス3Rと名称が変更されました。クラス3B及び4は従来と同じです。


  ■クラス1
   AEL値は、MPE値(最大許容露光量 MPE: Maximum Permissible Exposure)に限界開口面積を掛けたパワーで表示されます。
   従ってクラス1以下のレーザビームをレンズ等で集束させても限界開口面積で平均化したパワー密度はMPEを超えません。
   これにより、クラス1のパワー制限値はルーペや双眼鏡の使用をも考慮した本質的に安全なレベルです。
   なお、囲い等を設けて人体への露光量がAEL以下に制限できれば、レーザ単体の出力に依らずクラス1製品に分類されます。


  ■クラス1M
   このクラスは「裸眼は安全」として新設されたクラスです。露光条件は光源から100mmの距離をおいて裸眼で観測する場合です。
   従って、このクラスではレンズ系による観察で損傷を受ける可能性があります。


  ■クラス2
   波長λ=400〜700nmの可視光が対象で、目の嫌悪反応により危険性が回避できる1mWのパワーレベルです。
   この値は露光時間をt=0.25秒にしたクラス1のAEL値と同等です。なお、可視光の範囲は実際に目で見える範囲より狭い範囲と
   なります。


  ■クラス2M
   このクラスは、クラス1Mと同様に「裸眼は安全」として新設されたクラスで、裸眼観測の条件下(距離100mm)で嫌悪反応により
   安全となるクラスで、条件を限定されたクラス2です。従って、このクラスもレンズ系による観察は損傷を受ける可能性が
   あります。


  ■クラス3R
   このクラスは、パワー(エネルギー)制限値をクラス1&2の5倍としたクラスです。裸眼での露光条件では最悪でMPE値の5倍に
   限られます。このクラスによる制限値がクラス1M、2Mによる制限値を下回る場合は、このクラスは存在しません。
   実際、大口径ビームや発散角の大きなレーザビームではクラス1の制限パワーの5倍(クラス3R)を超えるクラス1M、2Mがあり、
   それらの上のクラスは3Bとなります。


  ■クラス3B
   直接光を見たり触れたりすると危険なレベルで、CW光では0.5W以下となります。

  ■クラス4
   直接光だけでなく散乱光も危険であり、CWでは0.5Wを超えるレベルです。

 ●時間基準

   レーザ安全基準では露光時間を決定する三つの時間基準が設けられています。これらの時間基準に従ってレーザ製品の
   露光量が評価され、クラス分けがなされます。
    (1) 0.25秒: 波長範囲400〜700 nmのクラス2、2M、3Rのレーザ放射に対して0.25秒
    (2) 100秒: (1)と(3)の場合を除いた波長>400nmのレーザ放射に対しては100秒
    (3) 3万秒: 波長≦400nmのレーザ放射、レーザ製品の設計上機能上から長時間に渡る意図的な観測が見込まれる
           レーザ放射に対しては3万秒。


 ●クラス1M及びクラス2Mの測定条件

   このクラスは、旧クラス3Aと同様にパワー密度がMPE値以下になる条件が規定されているので裸眼では安全です。
   しかし、光学機器を用いて観察すると危険になるクラスであり二つに分類できます。
   1つは平行ビーム出力に対する観測光学系で、口径50mmφの双眼鏡を用いると危険になります。この場合2mの距離で
   50mmφの開口を通過する測定パワーはクラス1(または2)を超えるが、14mmの距離に置かれた7mmφの開口を通過する
   パワーはクラス1(または2)以下となります。
   一方、2つめは発散ビーム(点光源)出力に対する観測光学系で、ルーペ(焦点距離14mm)を用いると危険となります。
   この場合、14mmの距離に置かれた7mmφの開口を通過するパワーはクラス1(または2)を超えますが、2mの距離で
   50mmφの開口を通過する測定パワーはクラス1(または2)以下となります。




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